フラット化する世界(下) |トーマス・フリードマン
- Date
- 2006-08-29 (火)
- Category
- お薦め本
フラット化する世界(下)
トーマス・フリードマン
日本経済新聞社 刊
発売日 2006-05-25
オススメ度:★★★★
フラット化した国の問題 2006-08-07
下巻では、フラット化出来たインドや中国、一方出来なかったメキシコ、イスラム圏などとの違いを、米国をモデル指標として、国がフラット化できる必要条件を考えています。しかし力点は、増補版で追加された7章の教育問題のようです。
上巻で些細な仕事までも海外にアウトソーシングし、オートメーション化が急速に進歩し職場がなくなる米国社会の現状が報告されました。この流れの中で、次の世代はどう生きればいいのか、子供をどう教育すればいいのかが考えられています。
ITの進歩が早く、獲得した知識はすぐに古くなるので、絶えず吸収し独学する姿勢を持つことが必要です。その姿勢を持たせるには、子供が学ぶことが好きになる理想の先生が必要とのことです。また知能よりも向学心と熱意が大事。ここでも先生が子供好きならば、子供は精一杯先生に応えようとして熱意をみせるので、子供好きの先生が必要とのことです。フラット化の社会では、人を好きになること。他人を管理・交流するのが好きになることが大事だが、その教育法は分からないとのこと。更に論理的な思考だけでなく、芸術的手腕や感情移入。大局的なものの見方。学識を超えたものの追求などを発達させる教育が大事とのことです。高等教育では、ジョージア工科大学の例を引いて、縦割り学科制を打破した学科横断的な履修形態、独自な入試制度などがうまくいっているそうです。
上巻は、ITの発展に伴う世界的規模での社会・経済の変化をルポルタージュ風に書かれており、わが国のフラット化係数を横目で計りながら気楽に読めました。しかし下巻で取り上げられている教育問題は、わが国の方が深刻です。著者が挙げている子供好きな教育に熱心な先生、腰を据えた横断的教育、知能指数だけで生徒を判断しない識見など、日本では十分ではないと思います。ITの引継ぎで国が、失速することだけは、避けたいものです。
さらに詳しい情報はコチラ≫